ここ1年くらいで非常によく聞くようになった、耳障りな言葉がある。
「これはプロレスだから」
米国債債務不履行回避、旧N党の代表者を巡る法廷騒動、オリラジ中田の松本批判、
本日だけで3回もニュース動画でこの発言を聞いた。
最初は
「相手を認め合ったうえで、自分の意見を遠慮なくぶつけ合い、お互いの理解を深めていく」
という好意的な意味で「プロレス」という言葉をチョイスしているのかな、
と思っていたが、どうもそうではないらしい。
言葉の端々に、小馬鹿にするようなニュアンスを感じる(私見)。
また、総じて物知り顔で、上から目線でしゃべっているように感じる(私見)。
本日見た動画の発言者の一人は
「これはプロレスだから! 冗談だから!」と言っていた。
つまり、最初からヤラセであり、本気の争いではない、結果が決まっているお芝居でしょ、
という意味か?
確かにプロレスには、コレ結果が決まっていたんでしょ、と思う試合もある。
だからといって、「プロレス=冗談」などとする風潮が世間に根付くのは
納得いかない。
半端な攻めでは観客は納得しない、相手が約束を違える事だってあるだろう。
プロセスを無視して結果を得ても、観客はしらけるだけ。
結果が決まってようが、どうであろうが、本気でないプロレスラーはいないよ。
そもそもプロレスは格闘技ではなく、スポーツでもなく、芝居でもない。
あらゆる要素を含み、その成分も試合によって全く異なる。
真剣勝負・八百長・忖度・華・嫉妬・あこがれ・技術・裏切・金・愛情・絶望。。。
プロレスの試合を通し、私は何度もそれらを見てきた。
こんな多様的な見方のできるものは、プロレスしかない。
時代は流れ、私のような感覚も無くなっていくのだろうか。
プロレスは、対戦相手とだけ戦うのではない。観客とも、世間とも戦うのだ。
私は「これはプロレスだから」などという見識の低いセリフは死ぬまで言わない。
1プロレスファンとして、変わりゆく世間に対するせめてもの意地である。
コメント